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Sansan 神山ラボ OMOYA

2020/01/1

 

サテライトワークの居住環境と古民家の再構成
Sansanは,徳島県神山町に2010年よりサテライトオフィス神山ラボを設け,その敷地に は築100年から70年程の古民家の母屋,納屋,牛小屋が程よい距離を保ち,建っている. オフィスとして使われるNAYAとKOYAはすでに整備されており,宿泊・研修 棟である築約70年のOMOYAの居住環境を改善し,ワーカーが快適に過ごせるように改修 することが,今回の要望であった. 3棟に囲まれた中庭には大きなサクラの木があり,魅力的な場所であるにも関わらず, OMOYAのキッチン裏に面し,その魅力が活かされていなかった.また,家の北側に位置 する玄関土間は薄暗く,来訪者は西側に駐車してKOYAとOMOYAの間を通り抜けてキッチ ンの勝手口からアプローチするため,玄関の役割を失っていた.そこで,キッチンを新し いミーティングスペースへと改装し,新しいOMOYAの玄関をKOYAとNAYAに繋がる中庭 の桜テラスに開いた空間とすること,玄関土間を新しい土間キッチンとすることで,滞在 者にとって魅力的な居場所となるよう,役割の交換を行った.さらに,階段を東側の3畳 寝室に納め,廊下や南寝室の壁を取り払い,単純な田の字型の平面へと再構成し,西側の 和室は南北それぞれが独立した寝室としても使えるような,ひと繋がりの座敷とした.土 間キッチン・ダイニング・和室を調理・食事から研修へ,一体となる居場所として変換し た. 大部分の屋根,外壁,木製建具のほとんどを既存のままとし,柱・梁・竹木舞土壁・天 井・長押・鴨居などもできる限り残し,新しく付加する部分と古い部分との調和を心掛け ている.古民家の持つ田の字と付加空間プランの交換可能性を試み,空間を繋げ直すこと で,現代のオフィスワーカーの居住,宿泊,研修に応える建築環境を創出した.生まれた 時から古民家に住んだことのない世代に対して,その歴史を伝えると同時に,未来の仕事 や生活をイメージできるような改修を試みた

 

名称 Sansan 神山ラボ OMOYA
所在地 徳島県神山町
用途 サテライトオフィス居住棟
構造 木造2階改修
延床面積 105㎡
事業主 Sansan株式会社
構造設計 高田建築設計室
施工 山田工務店
床フローリング 共栄木材工業
テーブル製作 カフェオニヴァ
写真 鈴木久雄

 

掲載
shushi architects revitalizes traditional kamiyama ‘omoya’ house for sansan workers
風景に溶け込むサテライトオフィス|「Sansan 神山ラボ OMOYA」|shushi architects
吉田周一郎 / shushi architectsによる、徳島・神山町の、既存古民家を改修したサテライトオフィスの居住・宿泊施設「Sansan神山ラボOMOYA」
新建築2020年1月号(新建築社)

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